ドラッカーのマネジメント論から読み解く必要な5つのスキル

マネジメントの本質について解かれた本である、ドラッカーの「マネジメント 基本と原則」の存在を知っている方は多いのではないでしょうか。こちらの著書の中には、マネジメントをするうえで欠かせない重要な5つのスキルが解説されています。

そこで本記事では、ドラッカーの著書を参考に、マネジメントの概要やリーダーシップとの違い、マネジメントに必要な5つのスキルについて解説をしていきます。マネジメントのプロフェッショナルを目指している方は、ぜひ参考にしてください。

マネジメントとは

まずは、マネジメントの定義について解説をします。マネジメントとは「経営・管理」などの意味を持つ言葉のことで、組織の目標を明確に理解したうえで、組織の経営資源やメンバーの管理を行います。

また、そもそもマネジメントという言葉を生み出したのは、P.Fドラッカーであると言われています。ドラッカー自身は、上述した著書の中で、マネジメントを「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」と表現していることが特徴です。

マネージャーとは

マネジメントと同じく馴染みのある言葉として、マネージャーが挙げられます。マネージャーとは、マネジメントを担当する立場の人材を指す言葉で、ドラッカーは「組織の成果に責任を持つもの」と表現しています。

組織の成果を最大化させるため、メンバーの意識管理やコミュニケーションを行い、将来のために育成することがマネージャーの役割です。

マネジメントとリーダーシップの違い

マネジメントと同義の言葉として捉えられている、リーダーシップという言葉が挙げられます。リーダーシップとマネジメントは「目的は同じ」ではあるものの、目標達成に向けて取り組む具体的な任務が異なります。

たとえば、リーダーを担当する人材は、メンバーに対して、組織の目標を達成するためのビジョンを共有します。つまり、役割が定性的であることが特徴です。

一方のマネージャーを担当する人材は、リーダーが共有したビジョンに対して、具体的な施策や、数値に落とし込みます。従って、役割が定量的であることが特徴です。

また、リーダーは「長期的な目線」で任務を遂行することに対して、マネージャーは比較的短期的な目線で様々な仕組みを改善していきます。

このように、リーダーシップとマネジメントは目的が同じではあるものの、それぞれの担当する任務や、与えられている役割が異なることを理解しておきましょう。

マネジメントに求められている5つのスキル

ここからは、ドラッカーの著書を引用しながら、マネジメントに求められている5つのスキルを解説します。

  • 目標設定能力
  • 組織化能力
  • コミュニケーション能力
  • 評価測定能力
  • 問題解決能力

それぞれのスキルを順番に見ていきましょう。

目標設定能力

目標設定能力とは、組織全体として目指す最大の目標に対して、その目標を達成するための「具体的な目標」を設定する能力のことです。

具体的な目標を設定するうえでは、短期的な視点・長期的な視点を持つことが前提であり、メンバーの仕事ぶりや社会に対する責任なども考慮する必要があります。

ドラッカーは、著書の中で目標に対して下記のように述べています。

目標には、はじめからチームとしての成果を組み込んでおかなければならない。それらの目標は、常に組織全体の目標から引き出したものでなければならない。組み立てラインの職長さえ、企業全体の目標と製造部門の目標に基づいた目標を必要とする。*注1

目標を設定する際は、チーム全体の成果を組み込むと同時に、組織全体の目標から引き出すことが重要であるとわかります。

組織化能力

組織化能力とは、異なるスキルを持った人材を束ね、組織として機能させる能力のことです。ドラッカーは、組織能力に対して下記のように述べています。

マネージャーは、自らの資源、特に人的資源のあらゆる強みを発揮させるとともに、あらゆる弱みを消さなければならない、これこそ真の全体を創造する唯一の方法である。*注2

メンバーの長所を発揮し、短所を克服させるためには、適材適所に人材を配置することが重要です。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、単にメンバーとの意思疎通のみならず、組織の成果を高めるためのコミュニケーションのことを指します。

コミュニケーションとは、知覚であり、期待であり、欲求であり、情報法ではない。*注3

コミュニケーションを図るうえでは、相手がどのような情報を求めているのかを理解し、さらには知覚能力を考慮する必要があります。

また、マネージャーのコミュニケーション能力次第で「相手の欲求を高められる」ことを理解し、組織の成果を最大化させることを目指しましょう。

評価測定能力

評価測定能力とは、メンバーのスキルや能力を適正に評価できる能力のことです。

人には、それぞれの理想、目的、欲求、ニーズがある。いかなる組織であっても、メンバーの欲求やニーズを満たさなければならない。この個人の欲求を満たすものこそ賞や罰であり、各種の奨励策、抑止策である。*注4

上記のドラッカーの言葉を参考にすると、メンバーの欲求や目的・ニーズへの理解が最優先であり、それらを踏まえたうえで定量的な評価が重要であることがわかります。

また、同時に「罰」として、組織としてのルールを明確にすることも大切になるでしょう。

問題解決能力

最後に、問題解決能力が重要です。問題解決能力とは、自社の表面化した問題のみならず、表面化していない問題を洗い出し、適切に対処する能力のことです。

あらゆる決定と行動において、ただちに必要されているものと遠い未来に必要とされているものを調和させていくことである。*注5

単に問題をネガティブな要素として捉えるのではなく、ポジティブな要素として、組織をより成長させるために必要不可欠な課題であると捉えることが重要です。

ドラッカーからマネジメントの本質を学ぼう

ドラッカーの著書を引用しつつ、マネージャーの概要や、マネジメントに必要なスキルを解説してきました。マネジメントはリーダーが共有したビジョンに対して、目標を達成するための組織づくりや、人材の育成を担当することが特徴です。

まずは、ドラッカーの著書を読みながらマネジメントの本質を学び、自分なりのマネジメント理論や、より良い組織づくりへの礎を築いてみてはいかがでしょうか。




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■参考文献

注1 「マネジメント 基本と原則」p139

注2 「マネジメント 基本と原則」p128

注3 「マネジメント 基本と原則」p157

注4 「マネジメント 基本と原則」p171

注5 「マネジメント 基本と原則」p128

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