東京は何位?世界のスタートアップ・エコシステムランキング

新しいビジネスモデルで短期間での成長を目指す「スタートアップ」。

スタートアップが継続的に誕生できる環境は「スタートアップ・エコシステム」と呼ばれ、アメリカのシリコンバレーが有名です。このスタートアップ・エコシステムの世界ランキングが、2020年に発表されました。

2020年版ランキングでは、東京が初めて上位にランクインするなど、スタートアップ・エコシステムを取り巻く最新の動向が見えてきます。

本記事では、世界のスタートアップ・エコシステムの最新事情や東京の評価、そして今後の見通しを解説します。

【この記事でわかること】
・世界のスタートアップ都市ランキング
・スタートアップ都市としての東京の評価
・今後のランキングの見通し

世界のスタートアップ都市ランキング

2020年6月、アメリカの民間調査会社「スタートアップ・ゲノム社」は、スタートアップの育成環境を評価した都市ランキング「The Global Startup Ecosystem Report 2020」を発表しました。※注1

以下の6項目に点数をつけ、総合評価(Growth Index)としてランキングしています。

・Performance(業績)
・Funding(資金調達)
・Connectedness(接続性)
・Market Reach(市場リーチ)
・Knowledge(ナレッジ)
・Talent(人材)

2020年版ランキングで初めて、東京は15位としてランクインしました。
アジア圏では4位の北京、8位の上海に次ぐ3番目に位置しています。

ランキングのトップ20は以下の通りです。
「The Global Startup Ecosystem Report 2020」TOP20

1.シリコンバレー(アメリカ)
2.ニューヨーク(アメリカ)
2.ロンドン(イギリス)
4.北京(中国)
5.ボストン(アメリカ)
6.テルアビブ=エルサレム(イスラエル)
6.ロサンゼルス(アメリカ)
8.上海(中国)
9.シアトル(アメリカ)
10.ストックホルム(スウェーデン)
11.ワシントンDC(アメリカ)
12.アムステルダム(オランダ)
13.シカゴ(アメリカ)
15.東京(日本)
16.ベルリン(ドイツ)
17.シンガポール(シンガポール)
18.トロント=ウォータールー(カナダ)
19.オースティン(アメリカ)
20.ソウル(韓国)

上位を占める「シリコンバレー」「ニューヨーク」「ロンドン」「北京」「ボストン」は、ここ数年変わらぬ顔ぶれとなっています。上位20位には、おもに研究開発活動が評価された「東京」と「ソウル」が初めてランクインしました。

日本でもすっかりおなじみとなった、音楽ストリーミングサービス「Spotify」を擁する「ストックホルム」も、2017年に14位でランクインしてから、今回は10位になり、着実な成長を続けています。注2
20位以下には、22位に「深セン」、29位に「杭州」がランクインし、中国の成長ぶりがうかがえます。

一方でIT産業のイメージが強いインドの「バンガロール」は、順位を8つも落とし、26位に後退してしまいました。

スタートアップ都市としての東京の評価は?

同ランキングでは、スタートアップ都市としての東京の評価が浮き彫りとなっています。

東京は、2019年版では上位30位に続く「チャレンジャー」都市として取り上げられるにとどまり、ランク外となっていたため、2020年版で大きくランクアップした形です。17位のシンガポールや20位のソウルよりも上位につけているのは、かなり健闘しているといえるのではないでしょうか。

では東京はスタートアップ都市として、どのような点が評価されているのでしょうか。東京の評価の内訳としては、各項目に以下の点数が付けられています。

・Performance(業績):7点
・Funding(資金調達):8点
・Connectedness(接続性):1点
・Market Reach(市場リーチ):3点
・Knowledge(ナレッジ):9点
・Talent(人材):7点

もっとも高い評価を受けたのは、研究開発活動の充実度を示す「ナレッジ」です。特許の数やその難易度、ライフサイエンスの論文の量などが評価基準となっています。またセクター別では、特に「フィンテック」と「ロボティクス」で評価されています。

一方で、投資家とのつながりや起業家のためのイベントなどを分析した「接続性」は1点、海外展開やユニコーン企業の輩出率などを示す「市場リーチ」は3点と、かなり低い評価にとどまっています。

今後のランキングの見通し

今後、東京はランキングでさらに上位を目指すことができるのでしょうか。
日本政府は、スタートアップを支援するための体制整備を強化しつつあります。

2020年7月、内閣府は、世界と伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市を形成すべく、拠点都市を設定しました。東京コンソーシアムのほか、大阪や京都、福岡など全国に拠点都市を設定し、各地のスタートアップに対する集中的な支援体制の整備を推進しています。

スタートアップ創出倍増のほか、ユニコーン企業を5社以上輩出させることや、海外企業起業家の誘致倍増などを掲げており、ランキングで評価の低かった「接続性」や「市場リーチ」の項目を補完できる可能性があるでしょう。

さらにアメリカを代表するベンチャーキャピタル(VC)の「セコイア・キャピタル」が日本市場に参入し、日本のVCと協力して企業向けデジタル技術を有するスタートアップに投資する方針であると報じられています。

「The Global Startup Ecosystem Report 2020」のレポートでは、著名な起業家であるサム・アルトマン氏による「次のシリコンバレーというものはない。30のシリコンバレーが生まれる」という言葉が引用されています。世界各地の主要なエコシステムでは、各都市が独自の強みを持ち、成長を続けています。※注5

シリコンバレーでは、継続的にスタートアップが生まれるシステムが確立されており、活躍する起業家は国籍豊かで、多様性に富んでいます。金融都市ロンドンでは、ブロックチェーンやフィンテック、仮想通貨といった金融分野のスタートアップが豊富な傾向があります。東京のスタートアップは、コアテクノロジーを中心とした製品化に強みを持ち、大企業のオープンイノベーションも活発化してきています。

今後も世界中の都市がそれぞれの得意分野や特性を活かして成長し、世界中にシリコンバレーのような都市が乱立していくことが予想されます。

まとめ

社会におけるさまざまな課題を解決しようとするスタートアップが、世界中で続々と誕生しています。

世界中でシリコンバレーのようなスタートアップ・エコシステムの形成が進んでおり、ニューヨークやロンドン、北京などが高く評価されています。

日本では東京がスタートアップ・エコシステムを牽引しており、2020年版の世界のスタートアップ・エコシステムランキングでは15位にランクインしました。日本はコアテクノロジーを中心とした製品化や、大企業のオープンイノベーションなど、日本ならではのITビジネスの強みを持っています。

今後、東京をはじめとした日本の都市は、各都市の特性を活かして世界で勝負していくことが求められるでしょう。




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※注1
Startup Genome:The Global Startup Ecosystem Report 2020
https://startupgenome.com/reports/gser2020

※注2
「有望なスタートアップを生み出す都市ランキング」2020年版。東京とソウルが初登場
https://www.businessinsider.jp/post-216895

※注3
内閣府:世界と伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市の形成
https://www8.cao.go.jp/cstp/openinnovation/ecosystem/index.html

※注4
スタートアップの育成環境、東京は15位 米調査会社
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60909970Z20C20A6XY0000

※注5
JETRO:日本のスタートアップ・エコシステムは形成されたのか
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/19eb953238275f11.html

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