デザイン思考とは?課題解決のための考え方とプロセスを解説

この記事を読むと以下の3つのことがわかります。

①デザイン思考とは何か?

②デザイン思考の基本となる4つの考え方

③デザイン思考で課題解決するための5つのプロセス

デザイン思考とは

みなさんは、デザインという言葉から何を想像するでしょうか。日本では、デザインという言葉は「見た目をよくする」「美しく整える」といった意味合いで用いられることが多いです。しかし、実はデザインという言葉は「設計する」「企画する」などの「アイデアを考える」という意味も持っています。

デザイン思考は、「デザインに必要なプロセスや方法を利用して、さまざまなビジネスの課題を解決するための考え方」です。デザインという言葉から、デザイナー向けの思考法と勘違いされやすいのですが、実際はあらゆるビジネスの現場に応用することができて、課題を解決するための新たなアイデアを生みだす考え方となっています。

デザイン思考は、世界的に有名なデザインコンサルタント会社であるIDEOのCEOティム・ブラウンが提唱したのをきっかけに、世の中に浸透しました。

デザイナーが日常的に行っている行動の中でビジネスの課題を解決するために役立つものを体系立てて、デザイナー以外の人でも実践できるようにしたのが始まりと言われています。

デザイン思考の基本となる4つの考え方

デザイン思考では、4つの基本的な考え方を基にしてビジネスの課題を解決していきます。どのような考え方なのかを見てみましょう。*注1

ユーザー中心で考える

「社内で開発した新技術を生かした製品を作る」「自社にチャンスがありそうな市場に参入する」といった自社中心の考え方では、デザイン思考は成り立ちません。

デザイン思考は、常にユーザーを中心にした考え方となっており、後述するデザイン思考の5つのプロセスでも、まずはユーザーへの理解と共感をすることから始まります。

対話を重視する

デザイン思考では、ユーザーやチームメンバーとの対話を重視しています。自分だけで課題を解決するための新しいアイデアを考えようとしても、1人で出せるアイデアには限界がありますし、常識や先入観によって実際のユーザーのニーズと合致しなくなる可能性もあります。

ユーザーやチームメンバーと密にコミュニケーションを取ることによって、アイデアの質を担保しつつ、スピーディにアイデアを形にしたり、改善したりできます。

試作・テスト・改善を繰り返す

日本企業のよくある失敗として、「完璧な状態を目指して商品やサービスを作った結果、市場に出すまでにかなりの時間がかかってしまってビジネスチャンスを逃した」という状況があります。

ユーザーのニーズの変化や、他社との競争が激しいこれからの世の中では、スピード感がなければ時代に取り残されてしまう危険性があります。

デザイン思考では、試作・テスト・改善を繰り返すことを重要視しています。完璧な状態でなくてもまずは試作品を出してテストし、テストによって得たフィードバックを基に改善するというサイクルを回すことで、アイデアの質を高めていきます。

課題解決の手段は多様である

デザイン思考は、「できるだけ多くのアイデアを出す」「課題解決の方法は1つでなくても良い」という考え方が前提にあります。

課題を解決するためのアイデアは、多くの場合は1つだけではなく、複数見つけることができます。デザイン思考では、1つだけの最適なアイデアを見つけ出すのではなく、アイデアを出来るだけ発想して、多様なアイデアを基に課題の解決を目指すことになります。

デザイン思考で課題解決するための5つのプロセス

デザイン思考の基本的な考え方を学んだところで、ここからはデザイン思考の具体的なプロセスを紹介していきます。デザイン思考の有名なフレームワークとして、スタンフォード大学のデザイン研究所が提唱する5つのプロセスがあります。どのような内容か見ていきましょう。*注2

共感(Empathize)

デザイン思考の基本は「ユーザー中心に考える」であり、実際に製品やサービスを利用するユーザーの視点に立つことが重要です。

「どんなユーザーが利用するのか」「なぜ利用しようとするのか」「いつ利用するのか」といったユーザーのニーズを理解して共感することによって、ユーザーの視点に立とうとします。

ユーザーのニーズを理解して共感するために有効な手段として、次の3点が挙げられます。

  1. ユーザーを観察する

ユーザーの言動や周囲の環境に対する反応をよく観察して、ユーザーが考えたり感じていることの手がかりを得る

  1. ユーザーにインタビューする

ユーザーに質問を投げかけて話を引き出し、「なぜ?」と深堀りすることでニーズを引き出す

  1. 自分自身が体験してみる

自分自身もユーザーと同じ体験をすることで、ユーザーの気持ちに共感できる

問題定義(Define)

このプロセスでは、共感のプロセスで収集した情報を整理・分類・解釈することで、解決すべき問題が何かを定めます。

問題定義では、突出したユーザーのニーズがなかったかどうかや、多くのユーザーに共通しているニーズはないかといったように、目立ったニーズを見つけ出して、それをチームメンバーが意見を出し合って「なぜなのか?」と解釈することが重要です。

創造(Ideate)

課題を解決するためのアイデアを、可能な限りたくさん出していきます。ここで重要なのは、1人でなくチームで行うことです。1人で出せるアイデアには限りがありますし、内容に偏りが出る可能性があります。チームでアイデアを出すブレインストーミングがおすすめの方法です。

アイデアを出す時には、質はあまり気にせず、とにかくたくさんのアイデアを出すようにしましょう。実現性が高いアイデアを出すことも大切ですが、当たり障りのないアイデアばかりになってしまうと、課題解決のための選択肢が狭まってしまうためです。

まずはアイデアを出し切り、その後に次のような質問によって質の高いアイデアを絞り込んでいきましょう。

  • 技術的に可能なのか
  • 違法ではないか
  • 予算的に実現可能か
  • ターゲットのニーズに合っているか
  • 過去に失敗した事例がないか
  • 一時的な解決手段にならないか

プロトタイプ(Prototype)

アイデアをたくさん出して、質の高いアイデアを絞り込むことができれば、次のプロセスでは、それらのアイデアを試作品(プロトタイプ)として形にしていきます。

試作品という目に見えるものがあることによって、ユーザーからのフィードバックを得てアイデアの質をより高めることができたり、チームでの議論で今まで出なかったアイデアがでるようになったりします。

試作品を作るうえで重要なことは、完璧な状態を求めないことです。アイデアの核となる機能だけに絞って、できるだけスピーディに試作品を形にすることを意識しましょう。

試作品の目的はユーザーやチームメンバーと対話することです。逆に言うと、対話ができるものであれば何でもかまいません。簡単なイラストやストーリーボードでも、対話ができるのであれば、立派な試作品です。試作品はなるべく早く安く作って、失敗してもすぐに軌道修正ができるようにしておく方が好ましいと言えるでしょう。

テスト(Test)

最後のプロセスであるテストでは、試作品に対するユーザーからのフィードバックを得て、試作品やアイデアについての検証を行います。

テストした結果、試作品の改善点が見つかれば、改善した試作品を作って再度テストするというサイクルを回すようにしましょう。

しかし、テストによってユーザーの真のニーズが浮き彫りになり、問題定義のプロセスからやり直す必要が生じることもあります。

デザイン思考の5つのプロセスは、一連の流れで進めるのが必ずしも正解ではなく、前後のプロセスを繰り返したり、前のプロセスからやり直すといったことが頻繁に起こると理解しておくことが重要です。むしろ、スムーズに成功することの方が珍しいと言えるでしょう。

何度もプロセスを繰り返すことによって、多くのアイデアを発想し、試作・テスト・改善のサイクルを回すことが、デザイン思考で課題を解決するためのポイントです。

まとめ

デザイン思考は、デザイナーのための思考法ではなく、ビジネスで課題の解決に取り組む人であれば誰でも活用できるものです。

現在のビジネス環境では、ユーザーのニーズを考慮していない製品やサービスは売れなくなっています。これからの時代で活躍する人材になるためには、デザイン思考を身に着けてユーザー中心で考えることが重要になってくるでしょう。

デザイン思考は、使えば使うほど慣れてきて、自然に考えることができるようになっていきます。ぜひ、デザイン思考を使って課題解決に取り組んでみてください。




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参考URL

注1

Freshtrax 「デザイン思考入門Part1-デザイン思考の4つの基本的な考え方」

注2

スタンフォード大学ハッソ・プラットナー・デザイン研究所 「スタンフォード・デザイン・ガイド デザイン思考 5つのステップ」

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