スマートシティで活用されるIoTの概要と事例

この記事を読むと以下の3つのことがわかります。

①IoTとは?

②スマートシティとIoTの関係

③スマートシティでのIoT活用事例

IoTとは?

IoTは「Internet of Things」の略称であり、直訳すると「モノのインターネット」という意味です。*1

従来は、パソコンやスマートフォンなどのデジタル端末のみがインターネットに接続されていました。しかし、2021年1月現在では家や車、道路、家電製品、電子機器などのあらゆるモノがインターネットに接続されて、相互に情報交換ができるようになっています。

あらゆるモノがインターネットに接続されることによって、これまでデータ化されていなかったさまざまな情報を収集して活用できたり、遠隔で効率よく制御できたりといった多くのメリットを得ることができます。

IoTによって実現できることの代表例をいくつか紹介します。

モニタリング

IoTにより、離れた場所にあるモノの環境や動き、位置などのさまざまな情報を収集してモニタリングできます。

例えば、製造業では工場内に設置したカメラや設備に取り付けたセンサーを用いて、生産活動の進捗状況を確認する用途で活用されています。

予防・予知保全

IoTにより、離れた場所にあるモノから収集した情報を分析・処理してモノの稼働状況や異常監視を行えます。また、故障しそうな箇所や時期を予測して、事前にメンテナンスを行うことができます。

例えば、交通インフラの整備では橋にセンサーを取り付けてひび割れや傾きなどの情報をモニタリングし、劣化を早期に発見してメンテナンスを行うといった用途で活用されています。

データ連携

IoTにより、さまざまなモノから情報を収集できるようになります。収集した情報はデータとして保管されて他のモノと連携するために使用されたり、クラウド上に集められて他のデータと組み合わせて相互に活用されたりします。

例えば、自宅にあるさまざまな電化製品から消費電力のデータを収集・分析することで、家全体での電力消費量を出すといった用途で活用されています。

遠隔制御

インターネットにつながったモノ同士を接続して、離れた場所から遠隔制御ができるようになります。

例えば、外出先からスマートフォンを使って自宅にある家電製品を動かすといったことが実現できます。

スマートシティとIoTの関係

スマートシティは、ICTなどの新技術を活用することによって街全体の効率化や生活の利便性を向上させることを目的としています。

野村総合研究所は、スマートシティを「都市内に張り巡らせたセンサーを通じて、環境データ・設備稼働データ・消費者属性・行動データ等のさまざまなデータを収集・統合してAIで分析し、更に必要な場合にはアクチュエータ等を通じて、設備・機器などの遠隔制御することで、都市インフラ・施設・運営業務の最適化、企業や生活者の利便性・快適性向上を目指すもの」と定義しています。*2

この定義の中でも触れられているように、スマートシティを実現するためには、あらゆるモノから情報を収集することによって街全体をモニタリングしたり、遠隔制御によってコントロールしたりできるIoTの技術が欠かせないことが分かります。

スマートシティでのIoT活用事例

ここからは、スマートシティの実現に向けたIoT技術の活用事例を紹介します。さまざまな都市や企業が、スマートシティを実現するための先進的な取り組みを進めており、今後の動向に注目が集まっています。

香川県高松市でのIoT活用事例

香川県高松市では、IoTなどを活用して複数分野のデータの収集・分析などを行う共通プラットフォームを構築し、「スマートシティたかまつ」という取り組みを推進しています。*3

防災分野では、河川や沿岸部にセンサーを設置して水位や潮位のデータを収集し、リアルタイムでモニタリングすることにより、大雨や台風接近時の災害対応に活用しています。

観光分野では、レンタルサイクルに取り付けたGPSセンサーによって観光客の移動ルートを記録しています。外国人観光客の国籍による目的地の違いなどを分析することで、観光地の多言語対応などの検討に役立てられています。

兵庫県加古川市でのIoT活用事例

兵庫県加古川市でもICTを活用した街づくりを進めており、特に、安全・安心の街づくりに寄与する事業を実施しています。*4

例えば、見守りカメラ兼検知器を通学路を中心に設置することで、犯罪の抑止や事件の早期解決、市民生活の安全の確保に役立てています。通学時や外出時の子供の安全を確保することで、市民が安心して子育てができる街を目指しています。

また、子供や認知症の高齢者など、行方不明になりやすい人の位置情報履歴を家族に知らせる見守りサービスの普及にも取り組んでいます。

神奈川県藤沢市でのIoT活用事例

パナソニック株式会社は、神奈川県藤沢市の「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」で、IoT技術を活用した小型低速ロボットによる自動配送サービスの実証実験を2020年11月末から12月にかけて実施しました。*5

ロボットと管制センターが常にインターネットで接続された状態になっており、管制センターのオペレーターがロボットの周囲状況を監視したり、自動走行が困難な状況化では遠隔操作に切り替えて走行することができます。

宅配の需要が年々増す一方で宅配員不足などの課題が深刻化しており、そういった課題を解消する手段として期待されている取り組みです。

スペイン・バルセロナでのIoT活用事例

スペインのバルセロナでは、世界に先駆けてスマートシティプロジェクトが進行しており、2000年から取り組みが進められています。IoTを活用した事例を3つ紹介します。*6

  1. スマートライティング

市内の街路灯にセンサーを設置することで周辺の交通量を把握し、適切な明るさに調整して点灯させる仕組みを構築しています。これによって、市の電気代を削減して省エネを実現しました。また、犯罪が起こりやすいエリアの街路灯を夜間でも点灯させておくといった使い方ができるため、犯罪の抑止効果もあります。

  1. スマートパーキング

市内の駐車場にセンサーを設置することで空き状況を把握し、利用者がアプリで空いている駐車場を検索できるサービスを提供しています。駐車場を効率的に利用できるようになったことで駐車場収入が増加しただけでなく、移動が効率的になったことで渋滞も緩和されています。

  1. スマートごみ収集

道路脇に設置されたごみ収集箱にセンサーを付けてごみの量を検出し、回収すべきタイミングを把握することで、無駄なごみ回収を減らすという取り組みです。ごみ収集にかかる費用を削減しただけでなく、ごみ収集車による渋滞の解消効果や、ごみがあふれる前に収集することで街の美化効果も得ることができました。

イギリスでのIoT活用事例

イギリスのスマートシティへの取り組みにおいて注目を集めているのが、ペイプジェンというベンチャー企業が開発した床発電パネルです。*7

歩道に敷設して歩行者がその上を歩くことで発電する仕組みになっており、LED照明などの電力供給源として活用されています。エネルギーの供給を効率化するだけでなく、歩行者の通行量データを収集することが可能であり、人通りの多い時間帯やエリアを分析して商業戦略にも役立てられています。

まとめ

今回は、IoTの技術とスマートシティでの活用事例について紹介してきました。

IoTは既に私たちの生活に浸透しつつあります。スマートフォンで家の電気を点けたり、家電製品を操作しているという人も多いのではないでしょうか。現在は、自宅などの限られた空間でのみ活用されることが多いですが、今後は街全体に展開されて私たちの生活をより便利にしてくれることでしょう。

また、現在はさまざまな都市でスマートシティの実証実験が行われています。私たちの将来の生活をイメージすることができるので、スマートシティの今後の動向に注目してみてはいかがでしょうか。スマートシティとIoTに興味がある方は、この記事を参考にしてみてください。




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参考URL

注1

AWS 「IoTとは?(Internet of Things-モノのインターネット)」

注2

野村総合研究所 「スマートシティ・スマートビル」

注3

高松市公式ホームページ 「スマートシティたかまつ」

注4

加古川市公式ホームページ 「見守りカメラについて」

注5

パナソニック株式会社 「小型低速ロボットによる住宅街向け配送サービスの実証実験をFujisawaサスティナブル・スマートタウンで実施」

注6

シスコシステムズ株式会社 「スマートシティの事例」

注7

千葉銀行ロンドン支店 「EUインサイト 欧州のスマートシティについて」

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