3Dライブとは?概要や代表的なシステムから今後の発展まで解説

自宅にいながら、まるでライブ会場に足を運んでいるかのように、リアルなコンサートを楽しめる3Dライブ。新型コロナウイルスによるイベント自粛により「新たなライブ・コンサートの楽しみ方」として話題を集めています。この記事では、3Dライブについて、その概念と配信に用いられる代表的なシステム、今後の発展についてまで紹介していきます。

この記事でわかること

①3Dライブとは何か

②3Dライブの代表的なシステム

③3Dライブの今後について

それでは、見ていきましょう。

3Dライブとは何か

3Dライブとは、「3次元で配信されるライブ映像」のことです。ただの3D映像の伝送とは異なり「ライブ」という言葉の通り、会場で行っている音楽や踊りをリアルタイムで別の場所にいる観客に届けることができます。

3Dライブは、アーティストの音楽ライブのほか、3Dキャラクターを用いたコンサート、Vtubeなどでも活用されています。当然ですが、生でライブを観覧する際は、自分が立っている場所からしか観ることができません。しかし3Dライブでは、好きなメンバーだけを近くで観たり、足元から見上げたり、ステージの上から俯瞰したりという好きな楽み方ができます。

自宅にいながら、好きな視点でリアルタイムでライブを楽しめることで、大きく注目を集めている技術です。

3Dライブを実現する2つのシステム

リアルタイムかつ3次元でのライブ配信は、どのようなシステムが用いられて実現されるのでしょうか。ここでは、3Dライブを実現するシステムを2つ取り上げ紹介します。

クリプトン・フューチャー・メディア社「R3」

R3とは「リアルタイム3DCGコントロールシステム」の略です。株式会社クリプトン・フューチャー・メディアが開発している技術で、3Dキャラクターの動きや歌声に合わせて、リアルタイムでキャラクターを操作できるシステムです。

代表的な使用事例は、人気3Dキャラクター「初音ミク」のコンサート。3Dライブの開催にあたり、それを「体験型新ライブ」と銘打ちました。従来のオンラインライブは、完成されたシナリオ通りにキャラクターを動かしてゆきます。しかし、3Rでは、MDMI信号などを用いることで、3Dキャラクターに合わせてリアルタイムで動きを変えらます。つまり、観客の反応に対して臨機応変にリアクションすることができるのです。

3Rは、キャラクターを用いた3Dライブにおいて、「1回限りのライブ」を実現が可能するシステムとまとめられます。*1

ソニー「ボリュメトリックキャプチャ」

ボリュメトリックキャプチャとは、ソニーが開発している3Dライブのための技術です。2020年の夏には、この技術を用いて人気バンド「いきものがかり」が3Dライブを開催したことで、話題になりました。

ボリュメトリックキャプチャを簡単に説明すると、「いきものがかり」のような実在の人物を3Dデータに変換し、それを高画質で再現する技術です。実世界の空間を演者も含めていくつものカメラを用いてまるごと撮影します。そのため、視聴者は360度自由な視点から映像を観ることができます。

この技術の大きな特徴は、撮影から配信までをリアルタイムで行えること。多数のカメラで撮影されたデータは非常に大きな容量であり、コンピューターで伝送処理するのは難しいです。この問題を解消すべく、ソニーはクラウド処理システムを独自に開発しました。そうして、ライブを3Dでリアルタイムで配信することが可能となったのです。*2

3Dライブの今後について

3Dライブは、今後さらに一般化されていくと予想されます。

2020年、新型コロナウイルス感染症の流行があり「密」を避けるべく、あらゆるコンサートやイベントが中止になりました。3Dライブは、そんな規制下において急激に発展したと言えるでしょう。

今までも、クリプトン・フューチャー・メディアやソニーは、長年にわたって3Dライブの開発を進めてきました。しかし、それが広く知られて実用化が進められたのは、余儀なく「密にならないライブ」の開催方法を考える必要があったからです。コロナ禍において、ソーシャルディスタンスを保ちながら、ライブを開催する手段として注目を集め、その利便性や新たな可能性に多くの人が気づいたと言えます。加えて、遠方に住んでいる人も気軽に参加できることから、新たな顧客層の開拓も進められるという利点にも注目されました。 

ソニーは3Dライブの究極の目標として「空間伝送」の世界を挙げています。「コンサート会場が空間ごと自宅に配信されるようなイメージで、自宅にいてもライブハウスにいるように会場の雰囲気が楽しめる」ことを目指しているそう。*3

ソニー以外にも、各デジタル会社が3Dライブ開発に力を入れています。3Dライブのインフラが整備されることで、今後もより普及していくことが予想されます。

まとめ

ここまで、3Dライブについて紹介してきました。

3Dライブとは、3次元で配信されるライブ映像のことです。代表的なシステムには、クリプトン・フューチャー・メディア社の「R3」やソニーによる「ボリュメトリックキャプチャ」が挙げられます。

3Dライブのメリットは、大きく言って以下の3つです。

  • 好きな視点でコンサートを楽しめる
  • 密にならずにイベントを開催できる
  • 場所の移動を考慮せずにライブに参加できる

各社が3Dライブの開発に力を入れていることを考えると、今後はよりインフラが整えられ、将来的に3Dライブの開催がより一般化すると予想されます。

3Dライブに興味がある方は、この記事を参考にしてみてください。




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参考文献

*1クリプトン・フューチャー・メディア株式会社「R3」

https://r3system.net

*2ソニー「全天球映像技術の先を見据えたボリュメトリックキャプチャ技術」

https://www.sony.co.jp/SonyInfo/technology/stories/Volumetric_Capture/

*3日経トレンド「いきものがかり3Dライブで話題 ソニーが目指す“次の”エンタメ」

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/01204/

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